まずHIV感染症とエイズ/AIDSは別物です。
HIVとは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)の頭文字をとった略号でヒト免疫不全ウイルスのことです。
そのため、 HIV感染症は単にHIVウイルスに感染した状態の事をHIV感染症といいます。
このエイズの発症の原因となるウイルスであるHIV感染者数は2020年現在、世界で約3,700万人いるとされています。
また超大国である隣国の中国人口の多いインドや太平洋地域では約1,000万に近いHIV感染者や患者が差別や偏見などと闘っています。
ここの世界的規模での感染症は1981年にアメリカで報告されたのは初めてで、歴史的には短い感染症なのです。
その後、多くの研究者によって米HIV感染症の疾患がレトロウイルス感染症であることが突き止められ、感染経路や胴体などが明らかにされました。
レトロウイルスとはRNAウイルスのことです。
急性期(初期症状)
エイズ/AIDSは
Acquired ImmunoDeficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)のことでHIVウイルスに感染し、免疫力が低下することによりエイズ/AIDSの発症の基準とされる23種類の病気が発症した場合にのみエイズ/AIDSと診断されます。
そのため、HIV感染症つまり HIVウイルスに感染しただけではエイズ/AIDSになったとは言いません。
HIV感染症の感染経路
ではHIVウィルスはどうやって感染するのでしょうか?
HIVウィルスの感染源となるのは、精液や膣分泌液、血液および母乳などです。
主なHIVウイルスの感染経路はセックスによる感染もしくは血液を介した感染、
そして母子感染の3種類に分けられます。
1.セックスによる感染
セックスによる感染はHIVウィルスの感染経路として最も多い感染経路です。
HIVウイルスを含む精液および膣分泌液等がセックスによって相手の性器や肛門などの粘膜や傷口から体内にHIVウイルスが侵入し感染します。
2.血液を媒介した感染
例えば、覚せい剤などの静脈注射の回し打ちなどを注射器でする際等の注射器具の共有により、HIVウイルスが感染します。
ただし、日本では献血された血液はその後のHIV検査で安全性が確保されてます。それでも現在の検査技術水準でやっても極めてレアケースですが輸血用血液からのHIVウイルスの感染の可能性は100%は防止できません。
また現在の献血由来の血液凝固因子製剤の場合しっかりと加熱処理されているため現在の血液凝固因子製剤でHIVウイルスに感染することはないです。
3.母子感染
母親がHIVウイルスに感染している際は妊娠中や出産する際にHIVウイルスがその子供に感染する可能性があるのです。
また母親の母乳の中にもHIVウィルスが存在しているため、授乳によっても子供にHIVウイルスが感染する可能性があります。
また、日本ではあらかじめ母親にHIVウイルスに対する抗ウイルス薬を内服してもらうことや母母乳を子供に与えないなどの対策により、子供に対するHIVウイルス感染を約0.4%まで抑えています。
HIV感染からエイズ/AIDSが発症するまで
急性期(初期症状)
HIVウイルスに感染したからといってすぐにエイズ/AIDSが発症するわけではありません。
まず人間はHIVウイルスに感染すると、感染したあと3週間目から4週間目くらいが間にHIVウイルスは急激に体内で増殖を始めます。
その結果CD4陽性リンパ球が破壊されます。この期間には発熱やのどの痛み、だるさ・下痢などの風邪やインフルエンザと似たような症状が発症し、筋肉痛や湿疹などが出るケースもあります。
いずれの症状も通常は数日から数週間で焼失してしまいます。
キャリア期(HIVウィルスキャリアとなる時期)
HIVウィルスに感染して急性期を過ぎると次には症状が全くない期間が数年から10年以上続きます。
この期間のことをキャリア期(HIVウィルスキャリアとなる時期)といいます。
このキャリア期(には個人差が大きくあります。例えば15年経過しても症状が全く出ないHIV感染者もいれば、最近ではHIVウイルスに感染してから2年程度でエイズ/AIDSを発症する人も少なくありません。
このキャリア期はたとえ全く症状が出なくても身体内にはHIVウィルスが存在し増殖し続けておりCD4陽性リンパ球の数が低下していることで免疫力が徐々に低下します。
またHIVウイルスに感染していると同時にクラミジアや大学などの性感染症にも感染している可能性が高く、約半数以上がそのような性感染症に感染しています。
HIVウイルス感染が進行しエイズ/AIDSが発症した際の症状
HIVウイルスに感染すると急性期(初期症状)を経てキャリア期(症状が全くない無症状の期間)も経てエイズ/AIDSが発症します。
エイズ/AIDSが発症すると?
HIVウイルスに感染してから治療をせずに放置した場合、数年から15年程度経過するとほとんどの感染者は性病エイズを発症します。
これはエイズ指標疾患と言われる23終了4巻のうちどれか1つが発症した時点でエイズ「AIDSが発症したことが確定します。
このエイズ/AIDSが発症すると免疫力が低下しているため、健康な人であれば発症しないような疾患(食道、気管、気管支、肺等のカンジダ症や化膿性細菌感染症、サルモネラ菌血症、カポジ肉腫・原発性脳リンパ腫・非ホジキンリンパ腫等)の発症に襲われることになります。
カポジ肉腫
画像出典元:Wikipedia
画像出典元:MSDマニュアル家庭版
このようなエイズ/AIDSが発症して治療せずにいるとその余命は2~3年です。
エイズ/AIDSが発症してからの治療もある程度功を奏する事もありますが、その効果は発症前(つまりHIV感染者の時期)と比較すると明らかに劣ります!
またエイズ/AIDSが発症してしまうと入院治療が必要になるケースがほとんどです。そのため感染した事を周囲に秘密にしておく事も困難です。
まだエイズ/AIDSが発症しないうちにHIV感染がわかれば最適な治療を受けることも可能です。
現在では、 HIV感染者に対して適切な薬剤の投与を釣ることで、 その平均寿命はHIV感染していない人と変わらないようになってきていますので、生活を変える必要もなく、個人の秘密を守ることができます。
定期的な検査と継続的な薬剤の投与をすることにより、通常の人と変わらない生活が可能になります。
また、HIV感染の早期発見のためにも、その他の性感染症の感染の疑いがある方はHIVにも感染しやすいため、積極的にHIV検査を受ける必要があります。
このHIV検査は匿名でかつ無料で保健所でできます。
もし保健所でHIV検査を受けたいのであれば、お近くの保健所のホームページを参照してください。
保健所での検査は恥ずかしいのであれば有料での検査キットによる検査も可能ですので、そちらもご検討ください。
HIV感染の検査と治療
このHIV検査は日本全国の保健所で匿名で検査受けることができ、費用も無料です。
もちろん、病院などの医療機関でもHIV検査は受けることができますが、この場合には費用がかかります。
HIV検査を受ける適切な時期とタイミングと検査のステップ
具体的な検査の流れ
HIV検査はまず最初にスクリーニング検査というものを実施し、そこで金星であれば「 HIV検査陰性」と判定されます。
そこで陽性になったものは引き続き確認検査を実施して、そこでさらに陽性と判定されれば、 HIV感染となり、陰性であればHIV検査陰性となるのです。
そのためスクリーニング検査の時点で陽性の場合にはHIV感染による(真の陽性)ではなく HIVに感染していないにもかかわらず、非特異反応というものにより陽性反応を示する「偽陽性」も含まれています。その為絶対に確認検査を受ける必要があります。
HIV感染のウィンドウ時期とは
HIVに感染した場合、感染した初期段階では血液検査で陰性となり、 HIVに感染していること自体が検査では判定不能になる時期があります。
この時期のことをHIVのウィンドウ時期「ウィンドウピリオド」といいます。
通常、HIVに感染した場合には3週間から4週間後ぐらいから血液中に抗体が検出されるようになりますので HIVに感染してから4週間以内に血液の抗体検査を受けた場合には実際にHIVウイルス感染していても陰性反応になる場合があります。
積もるHIV検査を受ける適切な時期は、感染した可能性のある子から4週間以上経過してからです。
それ以前にHIV検査をしてもHIV感染確認ができない事があるので注意してください。
HIV検査を受けてることができる場所
HIVの検査を受けることができる場所は前述の通り全国の保健所か、あるいは自治体の施設で性病の検査が行われています。
検査費用も前述の通り原則無料で、ご自分の名前を告げる必要もなく匿名で検査を受けることが可能です。
また検査を行う際も、ある程度他の人と会うことがないように配慮されている場合が多いですが、検査結果の数値については面談によって行われる為、電話や郵送などでの結果通知は禁止されています。
もちろん全国の病院やクリニックなどでも行われていますが、病院の場合は有料で検査費用以外に診察費用もしくははじめて行く病院やクリニックであれば、初診料が必要になります。
性病に関して何らかの症状がすでに表れている場合には検査費用に対して健康保険は適用できることがありますが、何も症状がない場合には健康保険が適用されないこともあります。
病院の場合、健康保険が適用されない自分でHIV検査が出来る「検査キット」を購入するよりも高額になってしまうことが稀にあります。
また、病院の場合は保健所のように匿名で検査を受けることができません。しかし医療関係者に対しては患者の情報に関する守秘義務がある為、秘密は守られます。
ただし病院の場合にはその病院の中で知り合いに出会う場合があり得ますのでその点には注意してください。
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